自分と重なる

Tさんは、出社後にコーヒーを飲むことが日課になっています。

ある朝、社内のコーヒーサーバーから淹れたてのコーヒーを一口飲むと、いつもより薄味になっていることに腹を立てました。

とっさに〈今日は誰が淹れたんだ。朝の楽しみが台無しじゃないか〉と淹れた人に対しての不満が募っていきました。しかし、同僚が同じコーヒーを飲んだ際に、「今日のコーヒーもとてもおいしい」と言ったのです。

それを聞いたTさんは、同僚の言葉で自分の新入社員時代の失敗を思い出しました。それは、会社で初めてコーヒーを淹れた時、水の分量を間違えて薄味になってしまったのですが、上司から優しくなぐさめられたのです。

その後、上司がTさんにおいしいコーヒーを淹れてくれました。当時のことを思い出したTさんは、コーヒーを淹れた人を責めていたことを反省しました。

失敗した相手を責めるのではなく、やり方を丁寧に説明し、自ら率先して手本をみせることが、相手の成長につながっていくのではないでしょうか。

今日の心がけ◆謙虚な心で接しましょう


                                                                                (出典:職場の教養 2022年5月号)





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■経営者からの感想

こちらの会社は、持ち回りでコーヒーをメンバー分入れるようになっているのでしょうか。(まさか、今どき後輩や部下や、庶務担当がコーヒーを淹れる役割を担っているのではないかと思いますが、もしそうだとするとかなりヤバイ会社ですね……)

そもそも、社内で誰かからコーヒーを淹れてもらったのであれば、「感謝」以外はないですよね。
味を求めるであれば、自分で淹れるか、自分の味覚に合うお店に行くことです。

もし、部下が淹れてくれたコーヒーに、「いつもより薄い!」と腹を立てる上司がいるのであれば、その会社にはすぐに見切りをつけることをお勧めします。

そして、自分が腹を立てている上司の立場であるとするならば、「コーヒーを淹れる」ことが業務に入っていないと、パワハラですね。

また、もし、受付や秘書、社内カフェなどのポジション以外で、コーヒーを淹れることを業務に入れるのも、かなりヤバい発想ですけどね……